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行動理論まめ知識:オペラント条件付けについて

オペラント条件付けは、行動心理学の基本的な理論で、B.F.スキナーによって提唱されました。この理論は、環境からのフィードバックが個体の行動をどのように形成するかを説明します。オペラント条件付けでは、行動は「オペラント」と呼ばれ、その結果によってその後の発生確率が増減します。

オペラント条件付けには主に以下の2つの要素があります:

  1. 強化: 強化とは、特定の行動の後に何かが提供され(または取り除かれ)、その結果としてその行動が増加するプロセスを指します。強化は2つの主要な形式、すなわち正の強化と負の強化に分けることができます。

    • 正の強化: 行動後に何か望ましいもの(報酬)が提供され、その行動が増える場合。
    • 負の強化: 行動後に何か不快なものが取り除かれ、その行動が増える場合。
  2. 懲罰: 懲罰とは、特定の行動の後に何かが提供され(または取り除かれ)、その結果としてその行動が減少するプロセスを指します。懲罰もまた2つの主要な形式、すなわち正の懲罰と負の懲罰に分けることができます。

    • 正の懲罰: 行動後に何か不快なもの(罰)が提供され、その行動が減る場合。
    • 負の懲罰: 行動後に何か望ましいものが取り除かれ、その行動が減る場合。

これらの原則は、個体が自分の環境でどのように学習し、行動するかを理解するための有力なフレームワークを提供します。

オペラント条件付けの理論は、さまざまな領域で応用されています。たとえば、教育、心理療法、組織行動管理、動物訓練などに用いられています。

以下に、オペラント条件付けのいくつかの重要な概念を詳しく説明します:

  1. 一次強化と二次強化: 一次強化は、生物学的なニーズを満たすもの(食べ物、水、性的満足感など)で、行動を増加させます。二次強化(または条件付けられた強化)は、一次強化と繰り返し結びつけられることで強化的な性質を獲得したもの(お金、社会的認識、称賛など)です。

  2. スケジューリング: スキナーは、強化のパターンや頻度が行動にどのように影響するかを調査しました。彼は定量的(固定比率、可変比率、固定間隔、可変間隔)と定性的(連続的、間欠的)のスケジュールを作り出しました。これらのスケジュールは、行動の学習や維持に影響を与えます。

  3. 成形: 成形は、所望の行動を段階的に引き出すプロセスです。最初は、所望の行動に近い任意の行動が強化されます。次第に、強化の基準が厳しくなり、最終的には目標とする具体的な行動だけが強化されるようになります。成形は新しい行動を教えるための効果的な方法とされています。

  4. 消去: 行動が強化されなくなると、その行動は時間とともに減少し、最終的には消失するという現象を消去と呼びます。しかし、消去された行動は完全になくなるわけではなく、「突然再出現」することがあります。

これらの原則を理解することで、我々は動物や人間の行動を形成し、変更し、維持するための方法を理解することができます。オペラント条件付けは行動分析の基本であり、行動療法や教育などの分野で広く用いられています。

オペラント条件付けの理論は、20世紀の初頭にアメリカで発展しました。これは行動主義の心理学者、特にB.F.スキナーによって最も広く開発され、普及しました。スキナーは、この理論を使用して、学習と行動の理論を開発し、行動を予測し、制御するための実用的な方法を見つけました。

行動主義は20世紀初頭の心理学の主要な学派で、ジョン・B・ワトソンによって創設されました。ワトソンは、心理学は観察可能で測定可能な行動に焦点を当てるべきであり、主観的な経験や意識状態(例えば、感情や意識)についての研究は科学的な精度を欠くと主張しました。

スキナーは、行動主義のこの観点を引き継ぎ、学習と行動に関する彼の理論と研究を行いました。彼は特に、動物(特にピジョンとラット)の行動を観察し、測定するための実験装置、"スキナーボックス"を開発しました。スキナーボックスは、オペラント条件付けの原則を研究するための基本的なツールとして広く使用されています。

スキナーの理論と方法論は、アメリカだけでなく世界中の心理学者や教育者によって広く受け入れられ、適用されてきました。オペラント条件付けの原則は、行動療法、特別教育、組織行動管理、動物訓練など、さまざまな分野で使用されています。